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Vol.70「秋草が野道にゆれてコンサート」邑瀬小百合(Vl),竹本聖子(Vla),佐竹裕介(Pf)

「秋草が野道にゆれてコンサート」

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桜の庄兵衛の秋は久しぶりのクラシックで始まります。出演者の邑瀬さんからメッセージをいただきました。
「ピアノ・トリオの魅力は、すべての楽器が主役。その中でも、ブラームスのピアノ・トリオは、主役同士がぶつかることなく、まるで音の会話を楽んでるかのよう。
今回は、トリオに加えて、デュオの魅力もお届けします。珍しいのは、ヴァイオリンとチェロの組み合わせでしょうか。
終始休みなく弾き続け、あらゆるテクニックが盛り込まれた弾き手には大変忙しい一曲です(笑)。
お楽しみください。

2013年10月20日(日)

昼の部 1:00開演
夕の部 4:30開演

出演者

ヴァイオリン  邑瀬小百合
チェロ    竹本聖子
ピアノ    佐竹裕介

プログラム

ベートーヴェン: ピアノ三重奏曲 変ロ長調 WoO.39
パガニーニ: カンタービレ (Vn, Pf)
ポッパー: タランテラ (Vc, Pf)
ハルヴォルセン: ヘンデルの主題によるパッサカリア(Vn, Vc)
ブラームス: ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 Op.8

プロフィール

佐竹裕介

京都市立芸術大学を卒業。音楽学部賞を受賞。同大学院修士課程を修了。大学派遣によりフライブルク音楽大学(ドイツ)へ交換留学。
吹田音楽コンクール、宝塚ベガコンクール等に入賞。京都芸術祭新人賞を受賞。京都市交響楽団、京都フィルハーモニー室内合奏団等と協奏曲を共演。
アンサンブル・ピアニストとしても活動し、伴奏者としてこれまでに東京オペラシティ・リサイタルシリーズ「B→C」、NHK-FM「名曲リサイタル」等に出演。CD録音にも多数参加。
これまでに森本雅子、両澤隆宏、迫昭嘉、安部裕之、上野真、M.ロイシュナーの各氏に師事。
華頂女子高等学校音楽科講師。

邑瀬小百合

東京音楽大学および同大学院修士課程修了。在学中に英国王立音楽院特別留学奨学金を得て短期留学。
大阪音楽コンクール入選。シマノフスキー新人オーディションに合格し、新人コンサートに出演。東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団と共演。
これまでに若林暢、景山誠治、藤川真弓の各氏に師事。現在、京都市交響楽団ヴァイオリン奏者。豊中市曽根東町在住。

竹本聖子

福岡県出身。3歳からヴァイオリンを始め、8歳でチェロに転向。
東京音楽大学付属高校、東京音楽大学を経て、同大学院弦楽器研究領域修了。
新曲作品の初演、オーケストラの客演、老人ホームや保育所での演奏など、
ジャンルにとらわれず、様々な音楽との出会いを大切に演奏活動を行っている。
チェロを秋津智承、森純子、堀了介、D.フェイギンの各氏に師事。
渋谷教育学園、MAGICO音楽教室で指導にあたっている。

「江戸の庄屋屋敷に響く欧州の音」 清水恵美

急に寒くなった10月も後半の宵、ピアノ・トリオを聴きに桜の庄兵衛さんに出掛けた。完璧に維持された豪壮な庄屋の佇まいは、昭和・大正・明治、更には江戸にまで遡ってそれぞれの時代の雰囲気を宿し、時空を超えたかのようである。お屋敷を鑑賞している間に演奏は始まった。

まずはベートーベンピアノ三重奏曲変ロ長調Wo0.39、晩年に10才の少女のために作曲したとヴァイオリンの邑瀬氏より説明を受ける。あの肖像画の怖い顔からは想像できない愛らしい曲である、3人の息も絶妙でアレグレットの快速が心地良い。

次はパガニーニのカンタービレ、ヴァイオリンとピアノのデュオ、会場の重厚な設えに相応しい音、ゆったりとした響きに愉悦が広がる。この辺から私の平常心は驚きに変わってきた。大変だ、美しくも華奢な小百合さんは偉大な芸術家だったのだ。(私は近所の者です)この人達は本物の音を出す人達だ。

3曲目はポッパーのタランテラ、毒グモに刺されて踊り狂う曲かと思っていたら説明によるとそうではなかった。イタリアのタラント地方に因んだ曲だった。ハンガリーの濃さに南イタリアの陽光が合体した舞曲、チェロの竹本氏、ピアノの佐竹氏の指さばきに聴き手の心が踊らされ、ロジェ・カイヨワの遊びの定義、競争、偶然、演劇性と眩暈を彷彿とさせる。

1部の最後はノルウェー人ハルヴォルセンのヘンデルの主題によるパッサカリア、ヴァイオリンとチェロのデュオである。エレガンスの極み、何と詩的な曲よ。邑瀬氏のヴァイオリン、竹本氏のチェロ、その包容力ある弦の響きに、心のひび割れがあたかも乾いた土地が慈雨によって潤うかのように修復されていった。

もはや誰一人として寒さは感じていない様で、熱気で会場は暑いくらいになっていた。
感動覚めぬ間に休憩。優美な薔薇形のフォンダンショコラと紅茶で聴覚・視覚のみならず、味覚と嗅覚も桃源郷へと誘われる。

さあ2部はブラームスピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8だ。
品格あるトリオによる荘厳ではあるがダサくないブラームス、内省的で暗めな第3楽章のアダージオもなんか暗くない、音の中に光が注している。
ああ、センスの良いブラームス、かっこいいブラームス、ウジウジしない白黒はっきりしているブラームス!おまけに艶がある極上のオリーブオイルがのっている。ヤラレタ。
余裕のピアノをバックボーンに羽をのばす弦、この若者達はヨーロッパのクラッシックを完全に自分の物にしている。更にはブラームスのエスプリを消化し、昇華させて希望をくれたのだ。

私の驚きは驚愕に変わり全身の血が湧き立った。
ありがとう邑瀬さん、竹本さん、佐竹さんそして桜の庄兵衛屋敷のご当主の奥野様とスタッフの方々。
滅多に素敵な事のない日常の中にも、稀に至福の時が訪れるものである。

ソプラノ歌手であらせられ、今夏お隠れになった邑瀬さんのお祖母様、そして先代のご家族も、類稀な才を持つヴァイオリニストの若奥さまに目を細めていられるに違いない。お腹の中からオーケストラに参加していた文岳ちゃん(10カ月)にもご一族のDNAは受け継がれてゆく事だろう。

今日の日の様な芸術がなかったら、物質的に豊かであろうと人の心は干からびてゆく。芸術家が誕生し芸術を保護する豊かな土壌に恵まれた北摂の地に感謝する。
そして日本国の登録文化財である250年以上経った大民家を存続させるばかりではなく、更に私達一般の者に芸術を味わう場として開放して下さる、奥野様やスタッフの皆さまのお力を尊敬申し上げる。
より素晴らしいものを目指される皆様の姿勢を目の当たりにした今宵の驚きを、普通を超えた物が好きでも、自らは易きに流れる自分への戒めとさせて頂きたい。

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