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Vol.88「陽だまりで「楽しやな」と羽ひろげ」桂九雀 前座 桂二葉

Vol.88陽だまりで「楽しやな」と羽ひろげ

「桜の庄兵衛で九雀亭 vol.1」

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日時 2017年2月12日(日)

  昼の部13:00開演(12:30開場)
  夕の部16:30開演(16:00開場)

出演

桂 九雀(かつら くじゃく)
前座  桂 二葉(かつら によう)
お囃子 岡野 鏡(おかの きょう)

演目

昼の部
 御公家女房   九雀
 桃太郎     二葉
 僕は廃品回収業 九雀
   中入り
 はてなの茶碗  九雀

夕の部
 みかん屋    九雀
 三年一組の高田君 二葉
 蛸芝居     九雀
   中入り
 親子酒     九雀

参加費

 2500円

桂 九雀

1979年(昭和54年)3月1日 桂 枝雀に入門。
マイクロフォンを使う必要のない会場で、生の声、生の三味線、生の鳴物による落語会の開催に力を入れている。また、一風変わった落語会のプロデュースも多数。(落語と音楽のコラボ企画、ネタの虫干しetc)
 1984年 放送作家・東野 博昭が旗揚げしたカラードシアター・ヘテカラで演劇の初舞台。以降、ヘテカラ全公演、劇団リリパットアーミー、劇団MOTHERなど関西小劇場等へ多数客演。
'05年7月には落語的手法による芝居「噺劇(しんげき)」をスタートさせ、継続的に公演を行っている。
 吹奏楽団やフルートオーケストラと共演し、楽曲の語りを一人芝居形式や落語形式で演じたりと、音楽の世界とのつながりも広げている。その他、1993年よりスタートし、南座名物公演となっている「歌舞伎鑑賞教室」での解説役も勤める。
 持ちネタ数が多く2012年5月下旬で145あったが、突如「持ちネタ総入れ替え宣言」をして、過去の持ちネタを捨てたので、現在、ハイペースでのネタおろし中。
岡町在住。大阪府立箕面高校出身
趣 味    将棋(アマチュア三段)・詰将棋創作・クラリネット

陽だまりで 「楽しやな」 と 羽ひろげ     原田秀一

大阪の最低気温が氷点下になった当日はとても良い天気でした。気温は低かったのですが、風がなかったせいか、木戸に寄りかかると陽によって暖められた木の香りとぬくもりを感じることができました。

会場の「桜の庄兵衛」は豊中市にある登録文化財のひとつで、江戸時代から代々庄兵衛の名で引き継がれてきました。先の阪神・淡路大震災で被災しましたがその後の大変な努力の結果、現在のように修復再生されました。

この日は 「桜の庄兵衛で九雀亭Vol.1」 なる落語会がありました。桂九雀さんはとてもこだわりのある方で、生の声、生の三味線、生の鳴り物による落語会を行っています。当然マイクロフォンは使いません。ジャズライブに例えればアン・プラグド、すなわちアンプ、スピーカーを使わない生音のみのライブのようなものです。

案内のチラシによれば桂九雀さん、2012年に145題あった持ちネタを「持ちネタ総入れ替え宣言」をしてすべて捨てたため、現在忙しくネタおろし中とのことです。それにしてもこのネタの数、半端じゃありません。一席20分とすると、145題を通して聞くと48時間、飲まず食わずでまるまる二日間かかります。こりゃ大変だと思いながらも、昼の部と夕の部の両方を聴きました。途中、桂二葉さんの高座が二つありますので合計8題です。普段人としゃべることはあってもこれだけ集中して聞くに徹することはありません。どうなることやらと思っているうちに「御公家女房」が始まりました。

九雀さんはこのご近所にお住まいで、岡町での公演が2月は5回あるとか、自己紹介を兼ねた身の回りの解説をまくらに、本題へと入ります。軽妙な語りに、自分の頭の中のスクリーンに公家出身の女房とのやり取りがはっきりと映し出されます。聞き手の体験や想像力がさらにその効果を高めます。

2席目は 「僕は廃品回収業」 失業率5%の世の中、主人公は廃品回収業に勤めます。仕事はゴミの分別。その分別作業中にかつらが出てくると、それをかぶって時代劇の花吹雪に夢中になったり、壊れたラジオを見つけると、それをたたいて直し、そのラジオから聞こえてくる民謡の放送に解説を入れるなど、まったく仕事に身が入りません。そしてとうとう自分が廃棄処分となるという筋書きです。いわゆる「ハメモノ入り」という三味線や鳴り物が適所に入り、はっとさせられると同時に、まさにその現場にいるという臨場感を覚えます。

続いて 「はてなの茶碗」 ご存じ米朝落語です。京都では有名な茶道具屋の金兵衛、通称「茶金」と、ひとやま当てようとする油屋とのやり取りが軽妙です。二束三文の水漏れする茶碗が千両で売れてしまうお話。九雀ワールドに引きずり込まれ、わくわくしているとあっという間にオチ。

「蛸芝居」 芝居噺のひとつ。あるじ(主)はもちろん番頭、丁稚、女中にいたるまで家じゅう芝居好き。主から表の掃除を言いつけられればそれをネタに芝居をし、仏壇の掃除を頼まれれば位牌を使った芝居をしてしまいます。全編を通じて九雀さんの芝居の口上が素晴らしく、三味線や鳴り物も絶妙のタイミングで入ります。通りかかった魚屋に「掛け声」をかけると、魚屋もすっかり乗せられて生きのいい「市川海老十郎」「中村鯛助」「嵐蛸助」があるという。酢だこにするために丁稚が酢を買いに行っている間、あろうことか「嵐蛸助」が芝居のまねごとをして脱走するという奇想天外な面白さです。

一日に落語8題も聞く不安?がすぐに楽しみに変わり、次はどんな世界に連れて行ってもらえるのかと期待していると、時間が経つのは早いもの。ハネ太鼓が聞こえる頃にはとっぷりと陽も暮れていました。

陽だまりで「楽しやな」と羽ひろげ

お後がよろしいようで。

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